お米の値上がりが、家計を圧迫しています。主食を、お米以外にする方も。
“パスタ”や”うどん”はともかく、”ケーキ”は主食になるのでしょうか?
ケーキは炭水化物が多そうなので、「主食の代わりになるのでは?」🤔と思いませんか?
こんにちは、現役内科医師の「えま」です。医師歴25年、総合診療部や代謝内科で勤務してきました。一人暮らしの中で、私も健康管理を工夫しています。
今回は、「ケーキは主食になるか?」を考えます。ケーキにも色々ありますが、今回はスポンジケーキと生クリームで作った「ショートケーキ」を取り上げます。
スーパーに立ち寄った際に「お米は高いなぁ。あれ?ケーキが安売りしているぞ!」という場面を想像してみましょう。
ケーキ好きな方は、「お米の代わりに、ケーキで良いのでは?」と思われるかもしれません。ケーキ好きな私も、そのように考えたことはあります。
この記事の結論は…
🧑⚕️からだを考えると、ケーキは主食になりません。コスパも良くありません。
ケーキを主食にする問題点は、大きく二つ…
✔️ケーキに含まれるクリームの脂質が多すぎる
✔️ケーキに含まれる炭水化物は主に砂糖(ショ糖)であり、お米の主成分であるデンプンとは性質が全然違う
脂質やショ糖の摂り過ぎや、ケーキを楽しむ注意点についても考えていきます。
この記事が、美味しく食べて元気に過ごしたいあなたのお役に立てば幸いです😊
そもそも「主食」とは何か?
主食とは、日常的にエネルギーをとるための中心となる食品のことです。お米、パン、麺類、いも類などが一般的に主食とされています。
主食に求められる役割は、「安定したエネルギー源であること」。からだを動かすための燃料になる「炭水化物(特にデンプン)」を多く含む食品が適しているのです。
一方、ケーキに含まれる炭水化物は主に砂糖(ショ糖)であり、エネルギー源としては瞬発型です。
🧑⚕️ケーキは、お米のような「持続的にエネルギーを供給する食品」ではありません。主食には、向いていません。
ケーキの栄養バランスを見てみよう
一般的なショートケーキ1個(約100g)には、次のような栄養が含まれます(※一般的な食品成分データを参考にしています)

カロリー:約320kcal
たんぱく質:約5g
脂質:約25g
炭水化物:約25g
茶碗一杯分のご飯には、次のような栄養が含まれます

カロリー:約222kcal
たんぱく質:約4g
脂質:約0.6g
炭水化物:約50g
ケーキの炭水化物の多くは「砂糖(ショ糖)」です。お米の主成分であるデンプンとは、吸収の速度も、からだへの影響も異なります。
また、バターや生クリームを用いたケーキには脂質が多く含まれるので、カロリー摂り過ぎに気をつける必要があります。
次で詳しく説明していきます
ケーキが主食にならない理由
理由①:炭水化物の種類が違う
ケーキの甘さは主に砂糖(ショ糖)によるものです。
”砂糖(ショ糖)”は体の中で素早く使われるエネルギー源ですが、お米やパンに含まれる”でんぷん”とは性質が異なります。
🧑⚕️”でんぷん”は消化にやや時間がかかるため、主食の役割に適していると考えられます。
🧑⚕️”砂糖(ショ糖)”を多く含むケーキを主食代わりにすると、消化吸収が急激すぎるため、からだに適した主食になりにくいと思われます。
このような理由からも、ケーキは主食ではなく嗜好品として、「時々」「適量を」楽しむ位置づけが適していると考えられます
食後の血糖値は主に食事に含まれる糖質量により変動するため、食事にどれだけの 糖質量が含まれているのかを知ることは非常に重要です。あなたに合った糖質量を知り、一度に多くとりすぎないようにしましょう。特に、砂糖や果糖などの糖質を控えましょう。詳しくは医師や管理栄養士に相談してください。
引用元:健康食スタートブック、日本糖尿病学会
理由②:脂質が多すぎる
ケーキに使われるバターや生クリームには、多くの脂質が含まれています。脂質は、少量でも高いエネルギーを生み出す栄養素であり、食べすぎると摂取カロリーが多くなります
お米やパンが「主食」とされているのは、脂質よりも炭水化物の割合が高く、全体のバランスを取りやすいからです。
🧑⚕️ケーキは脂質の比率が高くなりやすく、主食にはあまり向きません。
一般に、脂質のとりすぎは、肥満や生活習慣病につながります。特に動物性脂肪やパーム油などに多く含まれている飽和脂肪酸をとりすぎると、血液中のLDLコレステロールが増加し、その結果、循環器疾患のリスクを増加させることが示されています
引用元:脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響、農林水産省
理由③:コスパが悪い
🧑⚕️スーパーで「お米よりも、ケーキの方が安い」と感じることがあります。しかし、「お茶碗一杯のお米」と「1個100円の特売ケーキ」を比較すると、ケーキはお米よりも高コストです。
計算してみます。
お茶碗一杯当たりの炊く前の生米(精米)の量を約65gとして計算します。お米価格が5kg約4,500円の場合、お茶碗一杯当たりのお米の値段は次の通りです
5kg = 5,000g
お茶碗一杯の生米は65gなので、5,000g ÷ 65g ≒ 76杯分
4,500円 ÷ 76杯 ≒ 約59円/お茶碗一杯の生米の価格
つまり、お茶碗一杯分の生米の値段は約59円となります。これは精米されたお米の価格だけの計算で、水やガス代、電気代は含まれていませんが、ケーキのほうが安いとは言えません。
💬一見お得に見えても、実際には安くなく、主食としておすすめできません。安売りだからといって「お得感」で買うと、結局は損するようです
甘いものを我慢し過ぎる必要はない
ここまで読むと、「ケーキはダメなんだ…」と思われるかもしれません。しかし、決して「食べてはいけない」という話ではありません。
大切なのは、「ケーキを主食代わりにしない」という位置づけを守ることです。
甘いものを楽しむ時間は、気分転換やリラックスにもつながります。むしろ、ストレス解消に良いのかもしれません。
🧑⚕️時と場合を考えて、ケーキを適量食べるのは問題ありません。もちろん、食べすぎると、からだに負担となります。栄養的にも経済的にも、ケーキは主食に不向きです。
※持病があり食事指導を受けておられる方は、事情が異なります。ケーキを食べてよいかは、医師・保健師・栄養士さんにご相談ください。

ケーキで食事を済ませたら楽なのに…

主食にするのは、良くないかも

ケーキは悪者なの?

甘いものは悪ではありません。
主食とは“役割”が違うだけですよ。

じゃあ、どうすれば?

主食はごはんやパン、麺類にする。
ケーキは嗜好品だと考えましょう。

そんなの、当たり前ですよね?

深く考えると、“当たり前のこと”に行きつくのです。
まとめ:ケーキは主食ではなく、楽しみのために
私がこの記事を書いたのは、ある番組がきっかけでした。
「少ない年金で節約している高齢者の実態」という番組の中で、「お米は高いから、特売のケーキを主食代わりにしている。一つ100円位で安いんですよ」という高齢者がおられたのです。
なかなか「斬新な発想」だと感じたので、記事にしてみました。
この記事では、次の点を明らかにしました。
✔️ケーキには、砂糖(ショ糖)と脂質が多く含まれる。主食に必要な「持続的なエネルギー供給」には向いていない。
✔️主食代わりにケーキを食べると、経済的にも損しやすい。
つまり、「お米は高いから、特売のケーキを主食代わりにしている」という高齢者の方は、「わざわざ高いお金を払って、食事のバランスを崩している」ということになります。
もちろん、心の栄養としてのケーキは、十分価値があります。「ケーキでごはん代わり」ではなく、「ケーキでひと息」が、あなたの生活を少し豊かにしてくれるでしょう。
正しい知識が、あなたの健康とお財布を守ります。この記事が、何かのヒントになれば幸いです😊

先生は、ケーキとか食べないんですか?

大好きですよ。主食にしたいくらいです。

ケーキは主食になりませんよ!

その通りです!
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免責事項
・本記事で提供する健康情報は、あくまで一般的な内容であり、一個人としての経験や知見に基づいて発信しています
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