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【ケーキは主食になるか?】一人暮らし医師のズボラ飯

ケーキアイキャッチ 食材・食事の具体例
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お米の値上がりが家計を圧迫しているそうです。そこで、主食をお米以外に替える方もおられるようです。パスタやうどんは分かりますが、ケーキは主食になるのでしょうか?
ケーキは炭水化物が多そうなので、「主食の代わりになるのでは?」と思ったことがあるかもしれません

こんにちは、現役内科医師の「えま」です。医師歴25年、総合診療部や代謝内科で勤務してきました。一人暮らしの中で、私も健康管理を工夫していま

今回は、「ケーキは主食になるか?」を考えます。ケーキにも色々ありますが、今回はスポンジケーキと生クリームで作った「ショートケーキ」を取り上げます

スーパーに立ち寄った際に「お米は高いなぁ。あれ?ケーキが安売りしているぞ!」という場面を想像してみましょう。ケーキ好きな方は、「お米の代わりにケーキで良いのでは?」と思われるかもしれません。ケーキ好きな私も、そのように考えたことはあります

結論から言うと、からだを考えると、ケーキは主食になりません。コスパも良くはありません
問題点は大きく二つ…①ケーキに含まれるクリームの脂質が多すぎる、②ケーキに含まれる炭水化物は主に砂糖(ショ糖)でありお米の主成分であるデンプンとは性質が全然違う

脂質やショ糖の摂り過ぎや、ケーキを楽しむ注意点についても考えていきます。美味しく食べて元気に過ごしたいあなたに、少しでもお役に立てば幸いです

そもそも「主食」とは何か?

主食とは、日常的にエネルギーをとるための中心となる食品のことです。お米、パン、麺類、いも類などが一般的に主食とされています
主食に求められる役割は、「安定したエネルギー源であること」。からだを動かすための燃料になる「炭水化物(特にデンプン)」を多く含む食品が適しているのです

一方、ケーキに含まれる炭水化物は主に砂糖(ショ糖)であり、エネルギー源としては瞬発型です。ケーキはお米のように「持続的に」エネルギーを供給する食品ではありません

ケーキの栄養バランスを見てみよう

一般的なショートケーキ1個(約100g)には、次のような栄養が含まれます(※一般的な食品成分データを参考にしています)

ショートケーキ

カロリー:約320kcal
たんぱく質:約5g
脂質:約25g
炭水化物:約25g

茶碗一杯分のご飯には、次のような栄養が含まれます

カロリー:約222kcal
たんぱく質:約4g
脂質:約0.6g
炭水化物:約50g

ケーキの炭水化物の多くは「砂糖(ショ糖)」です。お米の主成分であるデンプンとは、吸収の速度も、からだへの影響も異なります
また、バターや生クリームを用いたケーキには脂質が多く含まれるので、カロリー摂り過ぎに気をつける必要があります

次で詳しく説明していきます

ケーキが主食にならない理由①:炭水化物の種類が違う

ケーキの甘さは主に砂糖(ショ糖)によるものです。
砂糖(ショ糖)は体の中で素早く使われるエネルギー源ですが、お米やパンに含まれるでんぷんとは性質が異なります

でんぷんは消化にやや時間がかかるため、主食の役割に適していると考えられます。一方で、砂糖を多く含むケーキを主食代わりにすると、消化吸収が急激すぎるため、からだに適した主食になりにくいと思われます

このような理由からも、ケーキは主食ではなく嗜好品として、「時々」「適量を」楽しむ位置づけが適していると考えられます

食後の血糖値は主に食事に含まれる糖質量により変動するため、食事にどれだけの 糖質量が含まれているのかを知ることは非常に重要です。あなたに合った糖質量を知り、一度に多くとりすぎないようにしましょう。特に、砂糖や果糖などの糖質を控えましょう。詳しくは医師や管理栄養士に相談してください。

引用元:健康食スタートブック、日本糖尿病学会

ケーキが主食にならない理由②:脂質が多すぎる

ケーキに使われるバターや生クリームには、多くの脂質が含まれています。脂質は、少量でも高いエネルギーを生み出す栄養素であり、食べすぎると摂取カロリーが多くなります

お米やパンが「主食」とされているのは、脂質よりも炭水化物の割合が高く、全体のバランスを取りやすいからです。ケーキは脂質の比率が高くなりやすく、主食としては適していない場合が多いようです

一般に、脂質のとりすぎは、肥満や生活習慣病につながります。特に動物性脂肪やパーム油などに多く含まれている飽和脂肪酸をとりすぎると、血液中のLDLコレステロールが増加し、その結果、循環器疾患のリスクを増加させることが示されています

引用元:脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響、農林水産省

「お米の代わりにケーキ」はコスパも悪い

スーパーで「ケーキの方が安い」と感じることがあります。しかし、「お茶碗一杯のお米」と「1個100円の特売ケーキ」を比較すると、ケーキはお米よりも高コストです。計算してみましょう

お茶碗一杯当たりの炊く前の生米(精米)の量を約65gとして計算します。お米価格が5kg約4,500円の場合、お茶碗一杯当たりのお米の値段は次の通りです

5kg = 5,000g
お茶碗一杯の生米は65gなので、5,000g ÷ 65g ≒ 76杯分

4,500円 ÷ 76杯 ≒ 約59円/お茶碗一杯の生米の価格つまり、お茶碗一杯分の生米の値段は約59円となります。これは精米されたお米の価格だけの計算で、水やガス代、電気代は含まれていませんが、ケーキのほうが安いとは言えません
一見お得に見えても、実際には安くなく、主食としておすすめできません。特売だからといって「お得感」で買うと、結局は損するようです

甘いものを我慢し過ぎる必要はない

ここまで読むと、「ケーキはダメなんだ…」と思われるかもしれません。しかし、決して「食べてはいけない」という話ではありません。大切なのは、「主食代わりにしない」という位置づけを守ることです

甘いものを楽しむ時間は、気分転換やリラックスにもつながります。むしろ、ストレス解消に良いのかもしれません
「時と場合を考えて、嗜好品として適量食べるのは問題ない。過度に食べすぎると、からだに負担となる」という、当たり前の結論に至ります

ジョニー
ジョニー

ケーキで食事を済ませたら楽なのに…

えま
えま

主食にするのは、良くないかも

ジョニー
ジョニー

ケーキは悪者なの?

えま
えま

甘いものは悪ではありません。主食とは“役割”が違うだけですよ

ジョニー
ジョニー

じゃあ、どうすれば?

えま
えま

主食はごはんやパン、麺類にする。ケーキは嗜好品だと考えましょう

ジョニー
ジョニー

そんなの、当たり前ですよね?

えま
えま

深く考えると、“当たり前のこと”に行きつくのです

まとめ:ケーキは主食ではなく、楽しみのために

ケーキは確かに炭水化物を含み、手軽なエネルギー源です。 しかし、その成分の多くは砂糖と脂質。主食に必要な「持続的なエネルギー供給」には向いていません

ただし、心の栄養としてのケーキは、十分価値があります。「ケーキでごはん代わり」ではなく、「ケーキでひと息」が、あなたの生活を少し豊かにしてくれるでしょう

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例えば『焼きそばパン 1つ+メロンパン 1つ』の組み合わせは、①炭水化物がやや多い ②たんぱく質がやや不足 ③ビタミンやミネラルが不足…という特徴があります
詳しくは、菓子パン・惣菜パン…どう食べる?】をご覧ください

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