【スーパーの弁当をどう食べる?】一人暮らし・ズボラ飯を考える

お弁当 考え方

仕事が終わり、疲れて自炊する気力もない…。そんな時、つい手に取ってしまう「スーパーのお弁当」。割引シールが貼ってあると、なんとなくお得に感じてしまいますよね
なかでも唐揚げ弁当は、ボリュームも味も満足度が高く、一人暮らしの強い味方。でも、ちょっと待って! その唐揚げ弁当、栄養バランスやカロリーは本当に大丈夫でしょうか?

こんにちは、私は現役内科医師の「えま」です。医師歴25年、総合診療部や代謝内科で勤務してきました。一人暮らしをしています
今回は、「スーパーのお弁当をより健康的に食べる」ための考え方と、ちょっとした工夫をご紹介します

揚げ物メインのがっつり系弁当は、炭水化物・脂質・塩分が多く、野菜や食物繊維が少ないのが特徴。これが毎日続くと、体重や健康状態がじわじわと気になってきます
「どうすればいいか分からない…」と思う方に向けて、この記事では唐揚げ弁当の栄養バランスを読み解きながら、足りない栄養素と多すぎる栄養素についてわかりやすく解説。そしてズボラでも続けられる、簡単な組み合わせ例をご紹介します

ポイントはたったの2つ
① 足りないものをちょっと足す(カット野菜、冷凍ブロッコリーなど)
② 多すぎるものは、あえて残す(唐揚げの脂身や衣を少しだけ外す、漬物を残す)


「完璧」ではなく「ちょっと工夫して“まあまあ健康的”」
いつものお弁当を少し応用することで、手間なく・節約しながら・そこそこ健康的な食事に近づけるヒントになれば嬉しいです

ジョニー
ジョニー

毎日、スーパーの弁当を食べています
さすがに飽きてきたけど楽なんですよね…

えま
えま

分かります。でもそのままだと、塩分や脂質が多いし、野菜が足りないかも

ジョニー
ジョニー

サラダ買うのって高いし、地味に面倒…

えま
えま

冷凍ブロッコリーやカット野菜(キャベツなど)を加えたら、良くなりますよ

ジョニー
ジョニー

それなら手軽そう!ちょっと意識してみます

よくある「唐揚げ弁当」の栄養はどうなってる?

お弁当に貼ってあるシールには、「栄養成分表示」が書かれています。まずはそこに目を向けることが、健康的な食事への第一歩です。今回は例として、以下のような唐揚げ弁当を想定してみます

例)唐揚げ弁当の内容…白米、唐揚げ5個、ポテトサラダ、きんぴらごぼう、漬物

唐揚げ弁当

【栄養成分表示】

熱量(カロリー):883kcal
炭水化物99.2g
たんぱく質29.7g
脂質39.6g(多い)
食塩相当量3.8g(多い)

栄養の偏りをチェック

  • カロリー:やや多めかもしれない
  • 炭水化物:おおむね適正(ごはん+衣) <ただし、お弁当により白米の量に差がある>
  • 脂質:かなり多め(揚げ物+マヨ系)
  • たんぱく質:おおむね適正
  • 塩分:多め
  • 食物繊維・ビタミン類:かなり不足

1日に必要なカロリーや栄養素は、年齢・性別・身体活動レベルなどで異なります。下記の引用サイトを参考に、ご自身に合った栄養を摂りましょう

推定エネルギー必要量
引用元:1日に必要なカロリー量、日本医師会

1日に必要な栄養素はこれだけ|大塚製薬

毎日食べるとどうなる?

  • 野菜不足: 肌やお腹の調子などに影響する
  • カロリーや脂質過多:太り過ぎの原因になる
  • 塩分の摂り過ぎ:むくみや血圧に影響する

足りないものをどう補う?

唐揚げ弁当には野菜が少なく、食物繊維、ビタミンが不足しています。そこで大切なのは、「足りないものをちょっと足す」ことです。おすすめの具体例を紹介します

野菜不足を補うには

手軽に手に入るカット野菜がおすすめです。袋入りのサラダをそのままお皿に盛り、ドレッシングをかけるだけで一品完成
また、冷凍ブロッコリーを電子レンジで温めて食べるのも手軽な方法です

ミックスサラダ
冷凍ブロッコリー

ビタミン類の不足を補うには

マルチビタミンのサプリメントも選択肢の一つ。特に忙しい平日は、食材からすべての栄養素を摂るのが難しいため、補助的に取り入れるのも現実的な方法です

マルチビタミン/ミネラル(MVM)サプリメントを摂取したほうが良いですか?

食事だけでは十分なビタミンやミネラルを摂取できない人、低カロリー食を摂っている人、食欲がない人、特定の食品を避けている人(厳格な ベジタリアン や ビーガンなど)は、MVMの摂取を検討するとよいでしょう。また、医療提供者は、特定の医学的問題を抱える患者にMVMを勧めるかもしれません。…

米国連邦政府の「Dietary Guidelines for Americans(米国の食事指針)によれば、「栄養の多くを食品や飲料から摂取するべきである」と指摘されています。食品には、健康によいとされるビタミン、ミネラル、食物繊維やその他の成分が含まれています。場合によって、栄養強化食品やダイエタリーサプリメントは、他の方法では1つまたは複数の栄養素の必要量を満たすことができない場合(例えば、妊娠などの特定のライフステージ)に有用です。

引用元:厚生労働省eJIM(イージム:「統合医療」情報発信サイト)

多すぎる栄養をどう減らすか?

次に、多すぎる栄養素(脂質・塩分・炭水化物)をどう減らすかを考えてみましょう

脂質を減らすには

唐揚げの脂身や衣を少しだけ外すのが効果的です。油や塩分がしみ込んだ部分を避けるだけでも、カロリーや脂質の摂取量を自然にカットできます
また、自宅の冷蔵庫からマヨネーズを出してかけるのは控えましょう。唐揚げ自体が脂質を多く含むため、さらにマヨネーズを足すと「脂質+脂質」で過剰になりがちです

炭水化物が多すぎると感じたら

白米をすべて食べきらず、少しだけ残すのもひとつの工夫です
もったいなさを感じるかもしれませんが、「健康を損なうこと」も同じくらいもったいない!自分にとって必要な量だけを食べ、あとは無理せず残す勇気も大切です

塩分を控えたいときは

例えば、漬物を残しましょう。1切れで0.5g近くの塩分を含むこともあります。また、衣や脂身にも塩分は含まれているため、味が濃い部分を減らすだけでも効果があります

「組み合わせNG」な例

組み合わせとしてNGなのが、「唐揚げ弁当+カップラーメン」のセット。脂質・塩分の“ダブルパンチ”になります
また、弁当の後にスイーツを食べると血糖値が急上昇しやすくなりますし、飲み物に甘いジュースを選ぶと、必要以上にカロリーが上乗せされてしまいます。全体のバランスを考えて、適量にしましょう

まとめ|「完璧」は難しい。「工夫」はできる

唐揚げ弁当は、どうしても炭水化物・脂質・塩分が多めになります。とくに白米の量によってはカロリーが過剰になりがちです。一方で、野菜やビタミン、食物繊維は足りません

でも、ここで「自炊しなきゃ」「全部バランス良くしなきゃ」と完璧を目指す必要はありません。足りない栄養素は、手軽な1品を足せば補えます。例えば、カット野菜や冷凍ブロッコリー、あるいはマルチビタミンのサプリメントを使うなど、無理のない工夫でOK

大切なのは、「今のあなたにできる範囲」で工夫すること。ほんの少しの意識と行動で、いつものお弁当が“ちょっと健康的な食事”に変わります。
ズボラなままでも大丈夫。今日からできる、あなたなりの食事改善を始めてみませんか?

免責事項

・本記事で提供する健康情報は、あくまで一般的な内容であり、一個人としての経験や知見に基づいて発信しています
・紹介する食品や食材を多量に摂取することで、病気が治ったり、健康がより増進するものではありません
・サプリメントや健康食品は、あくまで日々の食事を補う手段の一つです。持病のある方や薬を服用中の方は、自己判断せず、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください
・当サイトでは、個別の健康相談には応じておりません。現在、治療や保健指導を受けている方は、必ず担当医の方針を優先してください

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