自炊をしない一人暮らしでは、野菜不足が気になります。スーパーで手軽に買えるカット野菜や生野菜サラダも良いですが、いつも同じでは飽きてしまいます。
もうちょっと、野菜にバリエーションが欲しくなるかもしれません。どんな料理が候補になるでしょうか?
手間の無い野菜料理には、どんなものがあるでしょう?
こんにちは、現役内科医の「えま」です。医師歴25年、総合診療部や代謝内科で勤務してきました。一人暮らしの中で、日々の食生活を工夫しながら過ごしています。
今回は、「きんぴらごぼう」と「ほうれん草のお浸し」を考えてみます。
この料理に含まれる栄養を確認し、「自炊をしない一人暮らし」に活用できるか検討します。
実は、この組み合わせは「使える」野菜料理になりそうです。
健康づくりに、適切な食生活は大切です。
自炊をしない一人暮らしでは、「手軽に食べられるもの」「安いもの」が多くなり、ワンパターンになりがちです。
例えば、「主食多すぎ」「揚げ物が多い」「野菜が足りない」「間食が多い」「塩分が多い」という感じです。
「手間なし、節約」と「そこそこ健康的」な食事は、工夫次第で可能です。
普段の食生活に野菜を気軽に取り入れて、これからも元気に生きていきましょう。
『きんぴらごぼう』で、食物繊維を補う
きんぴらごぼうは、ごぼうやにんじんを香ばしく炒めて、甘辛く味付けした料理です。
醤油の風味とごぼうの食感、にんじんの甘みでご飯がすすみます。
ごぼうは淡色野菜、にんじんは緑黄色野菜に分類されます。
そんな「きんぴらごぼう」を、栄養面で考えてみます。
食物繊維
ごぼう・にんじんは、食物繊維を豊富に含みます。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、1:2の割合で摂取するのが理想とされています。
ごぼうとにんじんは水溶性・不溶性どちらも含みますが、不溶性食物繊維を比較的多く含みます。良い感じです。
なお、厚生労働省のウェブサイトによると、食物繊維には次のような働きがあります。
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。
便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。
現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます
引用元:食物繊維の必要性と健康 厚生労働省
食物繊維について詳しくは、【野菜ジュース】の記事をご覧ください。
ビタミン
きんぴらごぼうだけでは、ビタミンCやβカロテン(ビタミンA前駆体)が足りません。
きんぴらごぼうだけで「ちゃんと野菜を摂った」というには、力不足です。
塩分・砂糖・油
ここまでは、きんぴらごぼうの良いところを見てきました。しかし、気をつけるべき点もあります。
市販きんぴらは塩分・砂糖・油がやや多いので、食べ過ぎに注意する必要があります。
きんぴらごぼうは健康食品ではなく、メインディッシュでもありません。副菜として、小鉢一杯程度にしておくのが良さそうです。
『ほうれん草のおひたし』を追加してビタミン・ミネラルを補う

ほうれん草のおひたしは、日本の食卓を代表する上品な副菜です。シンプルでありながら、ほうれん草の持つ素材の味と、出汁(だし)の旨味が調和しています。
ほうれん草は緑黄色野菜に分類されます。ほうれん草には、βカロテン(ビタミンA前駆体)、ビタミンC、鉄分、カルシウム、葉酸が含まれます。
きんぴらごぼうだけではこうした栄養が不足するため、組み合わせることで「野菜の良さ」がアップします。
βカロテン
ほうれん草、にんじん、ブロッコリーなど、βカロテンを多く含む野菜を緑黄色野菜と呼びます。βカロテンは体内でビタミンAに変換されることから、プロビタミンA(カロテノイド)とも呼ばれます。
βカロテンには、健康に役立つ様々な働きがあります。
ビタミンAの主要な成分であるレチノールには、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあります。
また、レチノールは、視細胞での光刺激反応に関与するロドプシンという物質の合成に必要なため、薄暗いところで視力を保つ働きもあります。最近ではレチノールが上皮細胞で発癌物質の効果を軽減するといわれています。
引用元:ビタミンAの働きと1日の摂取量(公財 長寿科学振興財団)
(長寿科学振興財団は、以前は厚生労働省大臣官房厚生科学課所管の財団法人でしたが、公益法人制度改革に伴い公益財団法人へ移行しています)
ビタミンBは、野菜からは摂りにくい(注意)
「ビタミンは野菜から摂るもの」と思っていませんか??
じつは、そうとは言い切れません。例えば”ビタミンB群”は、野菜だけでは不足します。一般的な野菜ジュースにも、ビタミンB群はほとんど含まれていません。
ビタミンB群が極端に欠乏すると、様々な病気の原因になります。ビタミンB群は、肉・魚・卵・豆類などに含まれるので、こうした食材もバランスよく採る必要があります。
食生活に極端なかたよりがある方は、マルチビタミンサプリメントの活用も検討してください。
詳しくは、【健康食品は必要?】の記事をご参照ください。
「しょうゆ」のかけ過ぎに注意
普段から濃い塩味に慣れていると、何にでもソースやしょうゆをかけたくなります。
ほうれん草のおひたしに、しょうゆをかけ過ぎると、塩分過剰になりがちです。
「ちょっと濃い(しょっぱい)」と感じるなら、塩分が多い可能性があります。
外食や市販のお惣菜は、「塩分が多めだろうなぁ」と感じるのが、正しい感覚ですです。いきなりしょうゆをかけないで、少し薄味を意識すると良いでしょう。
素材の味を感じる習慣がつくと、自然と味付けは薄くなります。
年を重ねて食べ物の好みが変わると、「和食の良さ」に突然気付くことがあります。今まで食べる習慣がなかった方も、一度試してみませんか?
ちなみに、ほうれん草の美味しい旬の季節は、冬です。
スーパー・コンビニでそろえるメニュー例
きんぴらごぼうやほうれん草のおひたしは、スーパーやコンビニで入手可能です。
例えば、次のような組み合わせはどうでしょうか?
- きんぴらごぼう
- ほうれん草のおひたし
- サラダチキン
- ご飯
- お好みで、納豆
- インスタントフリーズドライ味噌汁(減塩タイプ)
このような組み合わせで食べることは、意外に少ないのでは?食事は、偏らないことが大切です。色々なものを少しずつ。

いつもと違う組み合わせで食べてみると、意外な発見があります。
普段の一品を少し減らして、いつもは手に取らない食材に挑戦してみませんか?
「食生活の乱れ」について
自炊をしない一人暮らしでは、「手軽に食べられるもの」「安いもの」が多くなり、ワンパターンになりがちです。
例えば、「主食多すぎ」「揚げ物が多い」「野菜が足りない」「間食が多い」「塩分が多い」という感じです。
「今日ぐらい、ちょっとぐらい良いかな?」という日も、時にはあるでしょう。しかし、そんな食生活を毎日繰り返していたら、体に良いはずがありません。(私にも、身に覚えがあります…)
栄養がかたよった、同じような食事を毎日食べていると、「摂り過ぎるもの」と「足りないもの」がはっきり分かれます。
手間なし、節約の食生活であっても、「ちょっと健康的」を意識することは可能です。忙しい日々だからこそ、体調を崩していられません。
これからも健康に、心穏やかに生きていくために。お野菜も、食べましょう。

先生は、健康的な食生活なんですか?

うーん。気が付いたら乱れていることもあります

お医者さんがそんなので良いんですか?!

食事のかたよりは、気付いた時に修正します。
『いつも完璧に』だなんて、私には無理です
免責事項
・本記事で提供する健康情報は、あくまで一般的な内容であり、一医師としての経験や知見に基づいて発信しています
・紹介する食品や食材を多量に摂取することで、病気が治ったり、健康がより増進するものではありません
・サプリメントや健康食品は、あくまで日々の食事を補う手段の一つです。持病のある方や薬を服用中の方は、自己判断せず、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください
・当サイトでは、個別の健康相談には応じておりません。現在、治療や保健指導を受けている方は、必ず担当医の方針を優先してください




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