「ラーメン食べたい!頭の中がラーメンでいっぱいだ」…そんな経験、ありませんか?私もラーメンが大好きな一人です
「体に悪いのでは?」「トッピングのネギ・もやし・きくらげ・メンマを食べたら、それで野菜は足りるの?」「唐揚げや餃子を頼んでも大丈夫?」…いろいろ迷いますよね
こんにちは、私は現役内科医の「えま」です。医師歴25年、総合診療部や代謝内科で勤務してきました
今回は、ラーメン屋での食事について栄養的な視点から考えてみます。「天下一品」さんが栄養成分を公開されていますので、それを参考にします。私は天一のラーメンが大好きで、情報を公開してくれている誠実さに感謝しています
なお、ラーメンには、こってりしたものも、あっさり目のものもあります。今回は、天下一品の二種類のラーメン【こってり】【あっさり】を、調べてみます
この記事を読むと、ラーメンの栄養バランス、食べ方やサイドメニューの工夫、食後のリカバリー方法が分かります。結論を先に言えば…「ラーメンは高カロリー・高脂質・高塩分。もやし等の野菜トッピングは、それなりに役立つ。脂っこい・塩分多いサイドメニューを足すと、栄養の偏りが拡大する」「一番大切なのは、『スープを飲み干さないこと』」です
楽しみながら健康も守る方法はあります。食べ方の工夫や食後の調整で、ラーメンライフは続けられます

ラーメン好きなんですよ!毎日ラーメン屋に行っても良いの?

毎日同じものを食べていたら、栄養は偏ります
食事は『ほどよい量』と『多様性』が大切です

でも、『私は年間数百杯のラーメンを食べています!』というラーメン評論家もいます

そうですね。どう思いますか?

毎日ラーメンは、さすがに食べ過ぎかと思います

その感覚は良いですね!そういうバランス感覚が、とても大事です
ラーメンの栄養成分を確認してみよう…「こってり系」と「あっさり系」を分けて考える
ラーメンには様々な種類があります。「超コッテリで背油マシマシ&麺大盛り」と「あっさりスープのシンプルなもの」では、栄養が全く違います
天下一品のウェブサイトに栄養成分が記載されていたので、今回はこの情報をもとに考えていきます。天下一品さんの誠実な情報公開に感謝いたします。天下一品のラーメンには、【こってり】や【あっさり】があります。今回はこれらの栄養素を確認し、こってり系とあっさり系の違いを考えてみます
引用元:天下一品ウェブサイト ① ②
天下一品【こってり】ラーメン

- エネルギー:949kcal…多い
- タンパク質:37.5g…十分に足りている
- 脂質:66.2g…とても多い。カロリーの大半が脂質
- 炭水化物:53.6g…まずまず
- 食塩相当量:6.4g…多い。スープを飲み干せば、塩分の1日上限量に達する
【こってり】スープは「鶏がらや野菜などをじっくりと炊き出したスープ」を使っているそうですが、具体的なレシピは不明です。ラーメンスープだけで野菜十分とは考えにくいので、別に野菜を摂ったほうが良さそうです。スープを全て飲み干すと、塩分が多すぎますし…
天下一品【あっさり】ラーメン

- エネルギー:490kcal…活動量の多い人には物足りない場合もあります
- タンパク質:20.8g…程よい
- 脂質:19.6g…「こってり」よりは少ないが、低脂肪ではない
- 炭水化物:57.6g
- 食塩相当量:8.4g…多い。スープを飲み干せば、塩分の1日上限量を超える
【あっさり】は490kcalと低めなので、サイドメニューを頼みたくなるかもしれません。【こってり】と比べると脂質はかなり抑えられていますが、低脂肪というわけではありません。スープを飲み干せば、塩分は「シャレにならないほど多い」です
ラーメンを食べるときの野菜不足、対策方法は?
もやしは「野菜」か?…一応、野菜としてカウントOK
ラーメンを食べるとき、「せめて野菜トッピングを足せば健康的かな?」と思いませんか。ネギ・もやし・きくらげ・メンマ…確かに「野菜を食べている気分」になります。でも、実際にどれくらいの栄養が摂れるのでしょうか
野菜摂取量の目安
厚生労働省は「1日350g以上の野菜」を推奨しています。詳しく、記事「野菜不足のあなたへ」をご覧ください
では、ラーメンにのっている野菜はどのくらいなのでしょうか?
トッピング野菜の栄養は?
① ネギ
- 栄養素:ビタミンK、ビタミンC、硫化アリル(香味成分)、食物繊維
- 量の目安:小口切りトッピングは 5〜10g程度。多くはありません
- 実際の効果:彩り・香りは豊かでも、野菜摂取量としてはごくわずか。大量に食べると、硫化アリルの作用で胃腸に負担がかかるので、適量が良いでしょう
② もやし
- 栄養素:ビタミンC、葉酸、食物繊維、カリウム
- 量の目安:通常のトッピングで 30〜50g程度
- 実際の効果:低カロリーで水分が多い。食物繊維は多少摂れるが、栄養は薄め。
③ きくらげ
- 栄養素:食物繊維(特に不溶性)、ビタミンD、鉄分
- 量の目安:ラーメンにのるのは 5〜10g程度
- 実際の効果:食物繊維は豊富だが、量が少なく「足し」程度
④ メンマ
- 栄養素:食物繊維、カリウム、少量のビタミンB群
- 量の目安:トッピングで 20〜30g程度
- 実際の効果:発酵食品としての風味は良いが、塩分がやや多め。野菜というより副菜扱い
ネギ・もやし・きくらげ・メンマを合計すると?
ラーメンの「標準的な野菜トッピング量」を合計しても、
- ネギ 5g
- もやし 40g
- きくらげ 10g
- メンマ 20g
トッピング野菜の合計で約75g前後です。これは1日の目標350gの 1/5程度 にしかなりません。トッピング野菜のメインとなる「もやし」は食物繊維が少なく、水分が中心。ビタミンやミネラルは限られます。実質的に、野菜としては不十分です
しかし!麺を大盛りと比較すれば、もやしマシマシで満腹感を出した方が「食べすぎ予防という意味で、良い」といえます。こうした気配りは、十分に意味があります
野菜ラーメンなら、野菜十分か?…OK!ただし、炒めた野菜ならば、脂質・塩分が多いかも
「野菜ラーメン」になると、キャベツ・もやし・人参・きくらげなどが 150〜200g前後 のせられることもあります。この場合は、1食で推奨量の 半分〜2/3 程度が摂れる計算です。良いですね!
ただし、トッピング野菜が「炒め野菜」ならば、脂質・塩分が多めになりやすい点に注意が必要です
「野菜を食べているから健康的」とは言い切れません。トッピング野菜が炒め野菜ならば、「スープは出来るだけ飲まない」「サイドメニューを控え目にする」という工夫が必要です。ただし、トッピングが茹で野菜ならば、脂質や塩分は心配なし
ラーメンを食べるときは、野菜どうする?…まとめ
- 通常のラーメントッピングでは、野菜不足は解消できない
- 野菜ラーメンならば補えるが、塩分・脂質が増える点に注意
「野菜を補う」には、ラーメン以外の食事で意識して摂ることも大切。当日・翌日の食事で調節しましょう
ラーメン屋でサイドメニューを追加するとどうなる?…カロリー、脂質、塩分に注意!対策もご紹介します
注文するラーメンが「こってり系」の場合
こってりラーメン単品で高カロリーなので、唐揚げ(約350kcal)や餃子(約350kcal)を加えると、簡単に 1500〜2000kcal。食べすぎです。脂質・塩分が多すぎます
ただし、「スープを飲まずに残す」ならば脂質や塩分は減らせるので、食べ過ぎに気を付ければセットにして良いかもしれません
注文するラーメンが「あっさり系」の場合
ラーメンのカロリーが比較的抑えめなので、「スープを飲まずに残す」ならば、サイドメニューを追加しても良いかもしれません。ラーメンスープの塩分が濃すぎるので、その点は注意です
サイドメニューを頼む際は、「カロリー、脂質、塩分」の摂り過ぎに注意するための工夫をお勧めします。揚げ物を頼むなら、脂身や衣を少し外すだけでも、カロリーや塩分を減らせます。餃子ならばタレに気を付ける(例えば酢+コショウにする)などすれば、塩分はいくぶん抑えられます。こうした「ちょっとした心遣い」が習慣になれば、今までよりずっと健康的になりますよ

結局、ラーメンのスープを残せるかどうかが大切なんです
でも、私、けっこう飲んでしまいます…

ですよね。どうしたらいいんですか?

これが一番悩ましいのです。良い方法があったら、教えて欲しいです

サイドメニューを頼んで満足感をあげ、スープは全部残す、とか?

そういうの、良いですね!

頑張ってくださいね
ラーメンを楽しむための工夫
「ラーメン=悪」ではありません。楽しむために、工夫が大切です。重要なことは5つ!
① よく噛んで食べる
麺はするすると食べがちですが、噛むことで満腹感が得られます。よく噛むと、消化酵素の働きで「うまみ」が感じられ、満足感も得られます。詳しくは、記事「よく噛むことは、面倒くさい?」をご覧ください
② サイドメニューの食べ方を工夫
・唐揚げや餃子 → 脂身や衣を少し外す。餃子のタレは塩分控えめに(『タレなし』、または『酢こしょう』)
・チャーハン→半チャーハンにする<記事「チャーハン」をご覧ください>
③ 野菜を追加する
- 通常トッピングの野菜だけでは、量が足りません
- 野菜ラーメンは良い選択肢ですが、脂質・塩分に注意。「スープは飲まない(飲み干さない)」とか、「サイドメニューを控え目にする」という工夫が必要
- ラーメン屋で野菜が足りなければ、当日・翌日の食事で補いましょう
④チャーシュー(肉)のトッピングは、カロリー・脂質・塩分に注意
・トッピングには野菜以外にも、チャーシューなどもあります。トッピングのチャーシューや肉は脂質・塩分をく含むので、から揚げなどのサイドメニュー追加は慎重に
⑤ラーメンのスープは、できるだけ飲まない
※ラーメン屋で食べるなら「スープを残す!」、これが一番大事です。脂質・塩分カットに直結します。半分残すだけでも、かなり効果的
⑥ 当日・翌日の食事で調整
- 当日・翌日の食事は、脂質や塩分を控え目にする。“余分な脂肪や塩分の上乗せ”を避ければ、最終的に栄養バランスが整いやすい
- 水分をしっかり摂り、塩分排泄を促す
「食べるな」ではなく「どう食べるか」
私もラーメンが好きで、時々食べに行きます。ラーメンくらい、食べさせてよ…と思います
「禁止」ではなく「工夫」が大切です。食後に意識して調整すれば、ラーメンは生活から排除しなくても大丈夫健康は毎日の積み重ね。ラーメン一杯で人生が決まるわけではありません。
ただし、バランスの良くない食事が「習慣化」すると、肥満・高血圧・脂質異常などにつながります。週1回程度に抑えるのがおすすめです
まとめ…①スープは残す!②食べ過ぎたら、当日と翌日の食事を控え目に!
- ラーメンは高カロリー・高脂質・高塩分
- もやしだけでは、野菜として不十分。野菜ラーメンも検討。野菜不足ならば、次の食事で補う
- スープを残すことが最重要!スープ飲まなければ、サイドメニュー頼むのもアリ。ただし、揚げ物や炒飯を足すとカロリーは大きく増えるので注意
- ラーメンは、週に一回くらいにしましょう。当日・翌日の食事は、脂質・塩分を控え目に
- 今より少し工夫する。それだけで、健康づくりに確実にプラス
ラーメンを愛する皆様。これからも美味しく健康に食べられるよう、小さな工夫を積み重ねていきましょう!

スープは残す!

きちんとスープを残すと、ラーメンが健康的になります
スープを飲みたくなったら、早く店から離れて!
<追記>天下一品のカップラーメン・袋麺も販売されていますが、お店の商品とは栄養成分が異なります。【インスタント食品を健康的に食べるには?】一人暮らし・ズボラ飯を考える の記事もご参照ください
免責事項
・本記事で提供する健康情報は、あくまで一般的な内容であり、一個人としての経験や知見に基づいて発信しています
・紹介する食品や食材を多量に摂取することで、病気が治ったり、健康がより増進するものではありません
・サプリメントや健康食品は、あくまで日々の食事を補う手段の一つです。持病のある方や薬を服用中の方は、自己判断せず、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください
・当サイトでは、個別の健康相談には応じておりません。現在、治療や保健指導を受けている方は、必ず担当医の方針を優先してください
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