健診の結果票に「血圧が高め」「要経過観察」と書かれていると、ドキっとしますよね。
「病院のお世話になるの?そんな暇ないよ。薬飲まされるのかな?イヤだな。見なかったことにしたい」…そんな気持ちになるのは当然です。
高血圧をそのままにして脳卒中になった方を、私は医師として救急外来で見てきました。救命救急センターのベッドの上で後悔する方を一人でも減らしたいと思い、この記事を書くことにしました。
こんにちは、現役内科医の「えま」です。医師歴26年、総合診療部や代謝内科で勤務してきました。一人暮らしの中で、日々の食生活を工夫しながら過ごしています。
今回は、「健診で血圧が高いと言われたら」について取り上げます。
これまでの記事でお伝えした通り、一人暮らしでズボラ飯を続けていると、肥満になったり塩分摂り過ぎになりやすいですよね。そんな生活習慣は血圧に関係します。
この記事では、健診で血圧を指摘されたときに、慌てず・正しく・自分でできることを、順番に整理します。この記事を読めば、「次に何をすればいいか」が分かります。
結論から言えば、まずやることは「家庭で血圧を測って記録する」ことです。
健診の1回の数値だけでは高血圧とは決まらない
健診結果に表示される血圧の値は、あなたの本当の血圧を反映しているとは限りません。
血圧は、1日のなかでも変動します。動いた直後でドキドキしているか?不安や緊張が無いか?トイレを我慢しているかどうかでも変わります。
健診会場で「測られている!」「高かったら何か言われるのかな?」と思うだけでも、血圧は変動します。
血圧は変動するので、「たまたま高い」こともあれば、「たまたま低い」こともあります。血圧計が壊れているのではなく、あなたの血圧が絶えず変動していることを、血圧計が正確に計測しているのです。
だから、一回や二回の血圧の値ではなく、何日分かを見る必要があります。
そして医師は、「どの範囲内で血圧が変動しているのか」を見て、治療方針を判断します。
つまり、普段の血圧の様子が分からないと、医師が正確に判断する精度は落ちます。医師が正しく判断するには、家庭血圧を測定して、その結果を医師に見せることがとても大切なのです。
最初に見るべきは数値より結果票の判定区分
血圧の数値そのものより先に、結果票の判定区分を見てください。
「要治療」「要精密検査」「要経過観察」「異常なし」といった区分が、たいてい書かれています。
受診が必要かどうかは、自分で数値を眺めて決めるより、この判定に従うのが基本です。
「要治療」「要精密検査」と書かれていれば、その指示どおりに、結果表を持参して医療機関を受診してください。自己判断より確実です。
ここからは、判定が「要経過観察」だった場合に、家でできることの話です。
血圧の基準は診察室と家庭で違う
高血圧の基準は、測る場所によって違います。
なぜ家庭のほうが低い基準なのか。自宅でリラックスして測ると、病院より少し低めに出るのが普通だからです。その分を見込んだ基準が使われます。
そして血圧には、場所によって正反対の「クセ」が出る人がいます。
つまり、健診の1回だけでは、本当の血圧を知ることが出来ません。家庭で血圧を測るのが一番です。
なお、「白衣高血圧だから大丈夫」とは言いきれません。白衣高血圧の方は、将来、持続性の高血圧に移行しやすいことが知られています。
だからこそ、「いまは家で正常だから」と油断せず、定期的に測り続けることが大切です。
また、健診血圧が正常であっても家庭血圧が高い方は、「仮面高血圧」の可能性があります。
ご心配でしたら、家庭血圧を測定・記録して、医療機関(内科)で相談してください。
家庭血圧は上腕式で朝晩2回、1週間の平均で見る
せっかく測っても、測り方が崩れていると数値があてになりません。次のポイントを押さえてください。

使う機器
上腕に巻く「カフ式」の血圧計を使います。手首式・指先式は手軽ですが、誤差が出やすいので避けます。
測るタイミング(朝と夜の1日2回)
- 朝:起床後1時間以内、トイレを済ませたあと、朝食前
- 夜:就寝直前。入浴や食事の直後は避け、少し時間をあけます
姿勢と条件
- 椅子に座り、1〜2分ほど静かにしてから測る
- 背もたれに背中をつけ、足は組まない、しゃべらない
- 腕帯(カフ)は心臓の高さに合わせる
- 毎回同じ腕で測る
直前に避けること
たばこ、コーヒーなどのカフェイン、入浴、運動の直後は、一時的に血圧が動くので避けます。
回数と期間
1回の機会に2回測って、その平均をとります。1日の値に一喜一憂せず、できれば1週間以上続けて、その平均で判断します。「今日は高かった」ではなく、ならした傾向を見るのがコツです。
測った値は日付・朝晩・体調メモとともに記録する
測った値は、必ず記録に残します。手帳でもスマホのアプリでも、続けやすいほうでかまいません。

記録するのは、日付、時刻、朝晩の血圧・脈拍です。
あわせて、いつもより高い/低い日には、睡眠不足や気温、体調などをひと言メモしておきます。あとで医師が原因を読み解く手がかりになります。
血圧が高いようならば、この1〜2週間ぶんの記録を持って、かかりつけ医や受診先へ行きましょう。迷うようならば、自分で判断しなくても、プロに任せればいいのです。
あなたが持参した家庭血圧の記録は、医師にとって何より価値のある判断材料になります。
高血圧の原因はさまざま…生活改善だけで下がるとは限らない
血圧と生活習慣の関係はよく知られています。
一般には、塩分の摂り過ぎ・肥満・運動不足・過度な飲酒・感情の高ぶりや緊張の連続・睡眠時無呼吸症候群などが、高血圧の原因になります。
ただし、これは一般的なお話です。実は、高血圧の原因は他にもあります。
”加齢”、”遺伝”や”腎臓・内分泌などの病気”が、高血圧の原因のこともあります。
その場合、生活習慣の見直しだけでは血圧が下がりにくいかもしれません。
明らかに血圧が高い場合は、医師と相談しながら進めていくことをおすすめします。詳しくは、次の章で説明します。
原因の特定や薬の判断は医療機関の領域
高血圧の改善には、生活習慣の見直しが大切です。
しかし、生活習慣さえ見直せば上手くいくかどうかは、ケースバイケースです。
特に次の3つは、自己判断ではなく、診察と検査が必要な「治療」の領域です。
これらは、医師が直接あなたを診て、検査結果と合わせて判断します。
この記事の役割は、「家庭で血圧を正しく測って、記録して、適切な専門家にきちんと渡す」ところまでです。その先は、医療従事者・医療機関でご相談ください。
まとめ

この4ステップで、高血圧を改善し、未来の脳卒中リスクを下げましょう。
出典
免責事項
- 本記事で提供する健康情報は、あくまで一般的な内容であり、一医師としての経験や知見に基づいて発信しています
- 紹介する食品や食材を多量に摂取することで、病気が治ったり、健康がより増進するものではありません
- サプリメントや健康食品は、あくまで日々の食事を補う手段の一つです。持病のある方や薬を服用中の方は、自己判断せず、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください
- 当サイトでは、個別の健康相談には応じておりません。現在、治療や保健指導を受けている方は、必ず担当医の方針を優先してください


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