「ちゃんと寝たはずなのに、朝からだるい」「休みの日もゴロゴロして終わってしまう」——そんなふうに感じたこと、ありませんか?
こんにちは、現役内科医の「えま」です。医師歴25年、総合診療部や代謝内科で勤務してきました。一人暮らしの中で、日々の食生活を工夫しながら過ごしています。
「最近、疲れやすいな」と感じるとき、その原因は意外とシンプルなところにあるかもしれません。睡眠が足りていない、食べ過ぎている、逆に食べなさすぎている。あるいは、カフェインに頼りすぎているのかも。
この記事では、疲れやすさと食事・睡眠の関係を整理して、今日からできる改善ポイントをお伝えします。特別なサプリや食材の話ではなく、日常の生活をほんの少し見直すだけの話です。
結論を先に言うと、「よく寝て、食べ過ぎず、食べなさすぎず、カフェインは適度に」。これだけで、体の調子が変わることがあります。
疲れが続くなら、まず医療機関に相談を
最初に大事なことをお伝えします。
この記事は「寝不足や食生活のせいで疲れやすいのかな?」と感じている方に向けた内容です。生活を振り返って、思い当たる原因を整理してみましょう、という話です。
ただし、疲れが長く続いている場合や、日常生活に支障が出ているような場合は、生活習慣以外の原因が隠れている可能性もあります。そういったときは、自己判断せず、まず医療機関を受診してください。
「なんとなく疲れやすいけど、病院に行くほどでもないかな」と思っている方は、以下の内容を読んで、まずは生活の中で見直せるポイントがないか確認してみてください。

最近なんか疲れやすいんだよな〜。歳かな?

まだ早い(笑)
でもその疲れ、生活習慣を見直すだけで変わるかもしれないよ
睡眠不足は食事では取り返せない
疲れやすさを感じたとき、まず振り返ってほしいのが睡眠です。
厚生労働省が公表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上の睡眠時間を目安として確保することが推奨されています。「最近なんかだるい」と感じている方、睡眠時間はどのくらい取れていますか?
よくある話ですが、「栄養のあるものを食べれば元気になるだろう」と考える方がいます。もちろん食事は大切です。でも、何を食べても、睡眠の代わりにはなりません。
たとえば、毎日4〜5時間しか寝ていない人が、朝にバナナやヨーグルトを食べたからといって、睡眠不足が帳消しになるわけではありません。食事はあくまで体を支える要素のひとつ。土台となる睡眠が崩れていると、食事の効果も発揮されにくくなります。
「平日は忙しいから、休日に寝だめすればいいや」と思う方もいるかもしれません。しかし、同ガイドでも、休日の寝だめでは十分な回復が得られにくいとされています。やはり、毎日の睡眠時間を確保することが基本です。
改善のヒントは「夜更かしを減らすこと」です。
就寝時刻を急に変えるのは難しいですが、「ダラダラとした夜更かし」を少し短くするだけでも、体の回復感は変わります。夜更かしと睡眠については、別記事でも詳しく書いていますので、合わせて参考にしてみてください。
睡眠の質を上げるために、枕を見直すのも一つの方法です。私が気に入っている枕を2つご紹介します。
食べ過ぎが翌日のだるさにつながる

睡眠の次に振り返りたいのが、食べ過ぎです。
仕事が終わって夜遅くに帰宅。お腹がすいているから、カップ麺にごはん、ついでにお菓子も。
こんな経験、ありませんか? 私も一人暮らしをしていると、つい夜遅くに食べ過ぎてしまうことがあります。
満腹のまま寝ると、寝ている間も体は消化のために働き続けます。本来なら休むはずの時間に体が活動し続けるため、眠りが浅くなりやすく、翌朝に「なんか体が重い」「スッキリしない」と感じやすくなります。
厚生労働省の資料「知っているようで知らない睡眠のこと」でも、睡眠直前の2時間以内に食事をとると睡眠の質を低下させる可能性があるとされています。
できれば就寝の2時間前までに食事を終わらせるのが理想です。空腹を我慢しろという話ではありません。遅い時間になってしまったときは、量を少なめにするだけでも違います。
どうしても遅い時間に食べるなら、量を少なめにする。あるいは、消化しやすいものを選ぶ。インスタント味噌汁と小さなおにぎり1個くらいでも、空腹は十分おさまります。
「食べ過ぎてしまうのはなぜだろう?」という方は、以前の記事でも取り上げていますので、そちらも参考にしてみてください。
食べなさすぎも、元気が出ない原因になる
食べ過ぎの逆で、食べなさすぎも疲れやすさの原因になります。
「朝は食欲がないから抜いている」「昼はコーヒーだけで済ませた」「夕飯は菓子パン1個」。こういう食生活をしていると、体を動かすためのエネルギーが単純に足りません。
体を動かす元気のもとになる栄養が足りないと、「なんとなく疲れやすい」という感覚につながります。
特に朝食を抜く習慣がある方は、まず何か1つ口にすることから始めてみてください。バナナ1本でも、ヨーグルト1個でも構いません。「朝に何か食べる」という習慣をつけるだけで、午前中の体の動き方が変わることがあります。朝食についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
大事なのは、完璧な食事をすることではありません。「食べなさすぎていないか?」を振り返ることです。
以前の記事で「一人暮らしの食事は70点でいい」と書きましたが、まさにその考え方です。まずは、最低限のエネルギーを体に入れることが大切です。
カフェインに頼る生活、そろそろ見直しませんか

コーヒー飲まないと一日はじまらないんだよなぁ

朝の1杯はいいと思う
でも夕方以降は気をつけたほうがいいかも
「コーヒーを飲まないと一日がはじまらない」「午後もエナジードリンクで乗り切っている」。そんな方は少なくないと思います。
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには覚醒作用があり、適度に取り入れることでリフレッシュできるとされています。朝の1杯で気持ちが切り替わる、という感覚は多くの方が経験しているでしょう。適量であれば問題ないとされています。
ただし、問題になるのは「摂り過ぎ」です。カフェインで得られるのは「一時的な覚醒」であって、「疲れそのものが消える」わけではありません。
疲れた体にカフェインを入れて動かしているだけでは、根本的な回復にはなっていないのです。
もうひとつ気をつけたいのが飲むタイミングです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、夕方以降のカフェイン摂取は睡眠に影響しやすいため控えることが推奨されています。
夜にコーヒーやエナジードリンクを飲む→眠りが浅くなる→翌朝だるい→またカフェインに頼る。
こうした悪循環に入っている方もいるのではないでしょうか。
では、どのくらいが「摂り過ぎ」なのでしょうか。
農林水産省では、海外の機関(カナダ保健省)の情報として、健康な成人のカフェイン摂取量は1日400mgまでを目安として紹介しています。コーヒーであれば1日700ml程度が目安にあたります。ペットボトルのコーヒー(500ml)なら1本強、缶コーヒー(185ml)なら約3〜4本に相当します。
ただし、カフェインへの感受性には個人差があります。
「最近眠りが浅い」「胸がドキドキする感じがある」「疲れやすい」と感じている方は、700mlという目安よりも少ない量でも体に影響が出ている可能性があります。そういった方は、まずいつもの量を少し減らしてみることをお勧めします。
また、カフェインには利尿作用があるとされています。コーヒーや緑茶ばかりを飲んでいる方は、水分を十分に摂っているつもりでも体の水分が不足しやすい状態になっている可能性があります。
水分が不足すると体がだるく感じやすくなるとも言われていますので、水や麦茶を意識的に取り入れてみてください。
「コーヒーをやめろ」と言いたいわけではありません。朝や午前中に飲む分には、ほとんどの方にとって問題ないでしょう。
ただ、自分にちょうどよいカフェイン量は個人差があります。疲れやすさで困っているなら、見直してみてはいかがでしょうか?

まとめ

免責事項
- 本記事で提供する健康情報は、あくまで一般的な内容であり、一医師としての経験や知見に基づいて発信しています
- 紹介する食品や食材を多量に摂取することで、病気が治ったり、健康がより増進するものではありません
- サプリメントや健康食品は、あくまで日々の食事を補う手段の一つです。持病のある方や薬を服用中の方は、自己判断せず、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください
- 当サイトでは、個別の健康相談には応じておりません。現在、治療や保健指導を受けている方は、必ず担当医の方針を優先してください


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